京都の民泊、トラブル頻発 住民が反対運動も行政指導限界

京都新聞  2016年05月29日 17時00分

空き家やマンションの1室を宿泊施設として提供する民泊。2020年東京五輪・パラリンピックに向けてさらに増えるという見通しもある中、宿泊者と住民のトラブルが頻発している。京都市は違法状態の解消を目指すが、施設の所在地や運営者を特定できない場合も多く、行政指導の限界を嘆く声もある。

■違法営業最大9割
中京区西ノ京の住宅地を歩いた。「民泊反対」などと書かれた紙が、一帯の民家約30軒の壁に貼られている。1軒の空き家が3月下旬から民泊に使われ始めたからだ。宿泊者の中には早朝から大声で電話したり、深夜に「鍵が開かない」と周辺民家のインターホンを鳴らしたりする人もいて、住民の反対運動に発展した。張り紙は3月末に始め、最近は宿泊者の姿を見かけなくなったが、近くに住む男性は「運営者に被害を訴えても、対応してもらえなかった。地域にとって迷惑でしかない」と憤る。

京都市が9日公表した実態調査の結果によると、市内の民泊施設は、仲介サイト8社の登録分で約2700件。このうち旅館業法の許可を受けないまま営業する違法施設は少なくとも7割、最大9割あると分かった。市議会で「違法施設を放置していいのか」と厳しく追及された市は「業者を強力に指導する」と応じたが、一筋縄では行きそうにない。

理由の一つは、民泊施設を特定する難しさだ。仲介サイト内の登録情報はあいまいで、調査件数の5割を超す約1400件で、番地などが明確に表記されておらず所在地が判明していない。実名を記さない運営者もおり、市職員は「連絡先すら分からないこともある」と嘆く。

京都市が行政指導しようにも法的な権限が乏しい。旅館業法は、旅館やホテルなどの基準や罰則を定めるが、主に営業許可を持つ事業者を想定している。民泊で目立つ無許可営業への罰則は、懲役6カ月以下か罰金3万円以下と比較的軽く、罰則を科すにも警察など捜査機関に委ねるしかない。市は「現行法では、市は繰り返し注意することしかできない。悪質なケースを告発したいが、実態把握も難しい」と頭を抱える。

一方、京都市の思惑とは異なり、国は、増加する訪日外国人の受け皿として民泊を活用する新法策定を検討している。市は「現状追認で終わらないよう、自治体による罰則規定や調査立ち入りの権限も明記してもらわないと困る」と、国の議論を注視している。

参考
http://goo.gl/AWmBqT

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