掃除・トラブル対応を肩代わり 「民泊」で広がる代行業

朝日新聞Digital 2015年11月5日07時17分

貸したい部屋と借りたい旅行客らを仲介する「民泊」サービスで、外国人旅行者らに人気が高い「Airbnb(エアビーアンドビー)」。そこに部屋の掃除や旅行者への対応を請け負う代行業者が増えている。面倒な作業を一手に引き受け、「民泊」拡大の一翼を担うが、貸し出す部屋の多くは現行法に抵触する可能性も指摘されている。

東京都内の古びたマンションの一室から、スーツケースを転がす若者が出てきた。旅行客ではなく、Airbnbの代行サービス「ホストプラス」運営会社のスタッフだ。部屋の掃除を終え、取り換えた枕カバーやシーツを洗濯するために持って帰るところだ。

本来は、部屋のオーナー自身がAirbnbに登録し、宿泊後の清掃なども自分でやるのが普通だ。そこに、ホストプラスのように、部屋の写真や料金プランをAirbnbのサイトに掲載したり、外国人とメールでやりとりしたり、鍵の受け渡しや宿泊後の清掃をしたりと、必要なサービスを丸ごと請け負う業者が登場した。

ログイン前の続きホストプラスの場合、世界中から届く質問や予約のメールに東南アジアにいる契約スタッフが24時間態勢で返信する。東京を中心に約30人いる別のスタッフは掃除と鍵の受け渡しに走り回り、お湯が出ないなどのトラブルにも駆けつける。

運営会社社長の仁田洋輔さん(30)は「昨年9月の開始直後はオーナーからの電話が鳴りやまず、ほとんど対応できなかった」という。今も都心や観光地など需要の高い部屋以外は断っている。管理する約40室の平均稼働率は8割を超え、宿泊料の取扱高も月1千万円を超えた。

代行業者は昨年秋から増え続け、今では20業者以上がサービスを競っている。「ミスタースイート」は、周辺ホテルの価格や空室状況を毎日チェックし、宿泊料を自動調整するシステムが特徴だ。「ファミネクト」は中国語やフランス語でも対応している。「ホスティ」は転貸できる物件の紹介もおこなう。

代行業者が受け取る手数料は「宿泊料の1~4割」が相場とされるが、業者によってまちまちだ。

Airbnb全体の9月末時点の日本での紹介物件は約1万6千と、前年同期の3・4倍に増えた。外国人旅行者の急増が背景にあるが、こうした「民泊」は、同じ部屋に有償で繰り返し宿泊させれば、「無許可で旅館業を営んでいる」とみなされ、旅館業法に抵触する可能性が高い。各マンションの管理組合規約に抵触する恐れもある。代行業者の多くは「やるかどうかは部屋のオーナーの自己責任」との立場だ。

一方、外国人旅行者の受け入れを増やしたい政府は、こうした民泊をまず一部の「特区」で認めようとしている。(藤崎麻里、藤田知也)

■Airbnb代行業者のおもな仕事

・依頼物件の写真を撮り、宣伝文を作成

・周辺相場にあわせて価格設定

・質問や宿泊予約のメールに英語で応答

・チェックイン時の鍵の受け渡しや道案内

・水回りなどトラブル発生時の対応

・チェックアウト後の掃除と備品の交換

     ◇

 〈Airbnb〉 2008年に米カリフォルニア州で始まったネット上の仲介サービス。世界190超の国・地域で150万以上の物件を紹介。日本でも利用は増えるが、宿泊料をもらって繰り返し泊めると、旅館業法に違反する可能性がある

参考
http://goo.gl/mA46Py

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