東京都大田区で1月スタートの「民泊」 素人が始めるリスクは

日刊ゲンダイDigital 2015年10月22日

東京五輪に向け、国家戦略特区になった東京都大田区が来年1月から「民泊」を始める。マンションの空き部屋などを活用し、7泊以上の長期滞在を希望する外国人観光客に宿泊施設を提供するというものだ。

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羽田空港を抱える大田区は、昨年のホテル稼働率が90%を超える。ホテル不足は解消され、異文化交流が身近になり、貸し手は小銭が稼げる。三方良しのように聞こえるが、素人が外国人相手に商売するのは簡単じゃない。

旅行ジャーナリストの渡辺輝乃氏はこう言う。

「海外では数年前から民泊が人気を集めています。世界最大手の空き部屋シェアサイト『Airbnb』には190カ国150万件以上の物件登録があり、日本でも1万6000件ほどに上りますが、ホテルなどのように宿泊者管理がしっかりできず、トラブルが絶えません。断トツは騒音。中国人はTPOを考えずに大声で話しますし、欧米人は客同士で酒盛りを始めて大騒ぎしがち。室内で収まればいい方で、マンションの共有スペースの出入り口や廊下などで暴れられると厄介です。Airbnbは利用者にパスポート番号の登録を義務づけていますが、仲間を連れ込み、どこの誰だか分からない人まで泊まっていたりします」

■住宅ローン減税がパー
室内を荒らされたり、宿泊費を払わずに居座るやからもいるという。今年7月には渋谷区内の民泊とみられる物件で、中国籍の女児(4)が12階から転落死した。死亡事故が起きたらシャレにならない。

民泊に手を出して、住宅ローンの返済費用に回そうという浅はかな発想もリスキーだ。ファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子氏(生活マネー相談室)はこう言う。

「懸念されるのが、住宅ローン減税の取り消しです。適用には〈床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること〉という条件がある。対象は当初10年間ですが、ローン残高2000万円であれば減税は最大で年間20万円。バカにならない金額なので注意した方がいいでしょう」

民泊は全国に広がる見通しだが、面倒を避けようと仲介業者を挟めばカネがかかり、コスパが下がる。よくよく考えてから始めた方がいい。

参考
http://goo.gl/GeWdHV

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