民泊標識「いたずらに反発招く」 貸し手に戸惑いも

産経新聞 6月21日(火)7時55分配信

一般住宅に有償で客を泊める「民泊」の新法制定に向けた厚生労働省と観光庁の有識者会議の報告書が20日、まとまった。インターネットの簡単な届け出で住居専用地域での営業が可能となる一方、民泊提供が外部から分かるよう「標識」を掲げることなどが義務付けられる。だが、既に民泊を行っている貸し手から「いたずらに近隣住民の反発を招く」との声があるほか、独自の規制を検討する自治体もあり、なお課題も残る。

「(新法は)車の法定速度みたいなもの。きっちり速度を守ることにメリットはない」

東京都三鷹市に所有するマンションの一室を民泊として提供する男性(63)はこう話す。

男性は昨年5月以降、自宅とは別に妻の仕事部屋として使用していた3LDKの部屋を民泊として貸し出す。これまで「三鷹の森ジブリ美術館」目当ての海外観光客など約80組が宿泊、100万円近くの収入を得た。「収入以上に、一緒に食事に行くなどの交流が楽しみだった」という。

騒音などのトラブルはなかったが、最近になって近隣住民から「見知らぬ外国人の出入りは気持ち悪い」と苦情があり、管理組合が規約を変更。民泊禁止が盛り込まれた。男性は別のマンションを探し、民泊を継続する予定という。

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「民泊新法」を見据えた報告書によると、民泊は住宅地を含め“全面解禁”とするが、管理規約で禁じるマンションでは営業できない。また、宿泊者のパスポートの写しを含む名簿の作成や、外部から民泊提供が分かるような標識の掲示、男性のケースのような「家主不在型」では、標識に管理者の連絡先を示すことも義務付けるなど、防犯対策が新たに加わる。

男性は「届け出は国がお墨付きを与えてくれるものではない。標識を掲示すれば近隣住民が反発し、民泊がやりにくくなるのは間違いない。届け出が簡単とはいえ、今の貸し手で届け出る人は限定されるのではないか」と予想した。

こうした住宅地での民泊拡大を懸念する自治体もある。京都市議会は今月、国に対し、地域の現状に応じた運用ができる法制化を求める意見書を可決。市担当者は「条例などで(規制の)網をかけていくか考えたい」と警戒する。

報告書では、違法民泊への罰則引き上げや、行政による立ち入り権限を明記。取り締まり業務の一部は民間委託を想定している。だが「啓発活動は委託できても、踏み込んだ指導などはできないだろう。(違法民泊)すべてを網羅するには人手も必要」(京都市担当者)なのが実情だ。条例でワンルームでの民泊営業を禁止している東京都台東区でも、「新法の詳細をみて対応を検討したい」(担当者)としている。

参考
http://goo.gl/T9wQSz

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