<民泊>合法化に期待と警戒

毎日新聞 6月20日(月)20時20分配信

◇住宅街で普及後押し/トラブル対策が急務

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これまで「解禁」と言われながら違法営業が横行していた民泊が、新法により一気に合法化される見通しになった。自宅に観光客らを泊めている家主や仲介事業者から歓迎の声が上がる一方、自治体には活性化とトラブル防止のはざまで期待と警戒が交錯している。【黒田阿紗子、熊谷豪】

東京都昭島市の不動産賃貸業、嘉手納(かてな)知幸さん(39)の自宅リビングは夕方になると、長期滞在中の留学生や外国人旅行者が料理を手伝ったり、嘉手納さんの長男(6)や次男(3)と遊んだりして、いろいろな国の言葉が飛び交う。スイス人の大学生、ウェルメリンゲル・クローエさん(22)は一家と京都旅行に行き、近所の寺で座禅も体験。「日本語や文化をよく知ることができた。『日本の家族』もできてうれしい」と笑顔を見せる。

嘉手納さんは3年前から仲介サイトを通し、自宅の4部屋を貸している。子どもに英語を覚えさせたいと思ったのがきっかけだ。料金は1泊2980円、月7万円。これまで35カ国から16~74歳の計約40人が宿泊し、多くは今も連絡を取り合う仲という。

自宅を使った「ホームステイ型」の民泊は、海外では広く普及しているが、日本で合法的に営業しようとすれば旅館業法の許可を得るしかなく、住宅地にある嘉手納さん宅では無理だった。嘉手納さんは新法ができれば届け出をするつもりで「悪いことをしている意識はなかったが、すっきりしない気持ちだった。周囲にもホームステイ型民泊をやりたい人はおり、もっと広がるのでは」と話す。

米国発の大手仲介サイト「Airbnb」(エアビーアンドビー)も、15日に渉外担当者が記者会見し「日本は住宅過多だ。経済成長のためにも観光に活用することを考えてはどうか」と規制緩和に期待を寄せた。

自治体側の受け止めは複雑だ。合法化されれば、民泊を管理下に置くことができ、東京都の担当者は「今までは指導も難しかったが、届け出が進めば実態をつかみやすくなる」と利点を説明する。

一方、空き室を利用した民泊の普及は、近隣トラブルの増加や既存の旅館などの経営圧迫も招きかねない。

観光都市の京都市は「宿泊者と周辺住民の安全を守るのが基本」と厳しい姿勢を崩さない。4月の旅館業法の規制緩和による民泊解禁に条例で歯止めをかけているほか、違法民泊の排除にも熱心で、京都1区選出の伊吹文明衆院議員は今月8日のホテル旅館業界が開いた会合で「民泊は治安上問題があり、取り締まらないといけない」と声を上げた。

長野県軽井沢町は、別荘保養地のブランドイメージを守るため、開発をする際の町との事前協議を求める条例に基づいて民泊を認めていない。「不特定多数による利用や風紀を乱す恐れがある」として、新法ができても規制を続ける方針という。

参考
http://goo.gl/c1Vg7G

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